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zoom RSS 「大山康晴の晩節」河口俊彦著

<<   作成日時 : 2007/12/09 21:56   >>

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画像 将棋の指し手はさっぱり分からないのに、将棋の世界を描いた本はけっこう好きだ。

 それはなぜかといえば、ごくわずかの勝者と大多数の敗者に色分けされる勝負の世界が持つギリギリ感に憧れがあっても、一般人にはそこに入り込む覚悟も胆力も備わってないからだ。接したくないけど、その片鱗を見てみたい、そんな相反する欲求に対して、デキの良いノンフィクションは疑似体験として応えてくれる。ただしその多くはスポーツの世界に取材したものであって、本書のような頭脳の戦いを描出したものは数少ない。そらまあ、地味だから。

 著者の河口氏はプロ棋士として対局するのと並行して内部から棋士の世界の奥底を取材し表現した方で、当Weblog運営者は棋譜なんか分からないのに、河口氏の連載“対局日誌”を読みたくて今は無き『将棋マガジン』誌を買ってたものだ。

 河口氏はプロ棋士としては目立った成績は残せなかったけれども、文章は将棋指しならではの観察に満ちていて、たとえば将棋の一局を描くのに“コトコトとスープを煮るような指し方”なんてやっぱ専門家しか書けない表現だよね。それと比べると事務局職員から転進して将棋ノンフィクション2冊書いたあと叙情的な小説でベストセラーを連発してさらに美人棋士だった高橋和さんを娶ったあの大(根拠の無い批判的言辞のため略)。

 本書は将棋界の戦後昭和を代表する大名人であった大山康晴の嫌らしいまでの強さに迫った評伝である。当Weblog運営者が将棋マガジンを買ってた昭和末期はもう最晩年で、毎年最高クラスのA級から陥落するかしないかで踏みとどまっていた。しかし全盛時代はタイトルを総ナメにして他を圧する強さで、本書で描かれた様子からは"巨人大山卵焼き"でもおかしくないくらいだ。

 しかし時の経過した今では、本書を手に取る読者は将棋関係者を除けば、当Weblog運営者の年代以上のおおむね40代以上の人間ばかりだろう。しかも当時からそんなに人気のある棋士ではなく、いまさら大山康晴の評伝を読もうという者は少ないはずだ。顔が地味だし言動に華麗さや勝負師ぽいケレン味が無い。

 その大山康晴というまさに大きな山を記録しなければいけないという使命感のようなものさえ感じられる本書は、独断で言えば売れそうな要素は全く無い(^^)が、清貧に徹して立派である。恋愛小説でベストセラー出して豪華客船飛鳥に乗ってる場合ではないのである(まだ言ってる・・・)

 本書には出てこないが、当Weblog運営者は大山康晴が色紙によく書いたという『助からないと思っても助かっている』という一節がかなりお気に入りだ。凡庸な「他力本願」や「最後まであきらめるな」を超越していて、やることやった充足感みたいなのがあらわれてる。

(平成18年発行・19年購入、新潮文庫)



・あとがきで注目されている渡辺明竜王(H19年12月時点)に対して巷間アダ名された“魔太郎”というネーミングはすごい。ぴったり。バラ柄のシャツ着て欲しい。竜王より魔王のほうがカッコイイと思う。

・BIGLOBE動画で“ハチワンダイバー実写版”という企画をやってて、プロ棋士が大量出演。すごい。とどめに師匠役のモデル鈴木大介八段がそのままの役で出演していて思わず噴飯。

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