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zoom RSS 「荒野へ」ジョン・クラカワー著/佐宗鈴夫訳

<<   作成日時 : 2009/08/12 22:11   >>

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画像有望な将来を放り投げ、放浪の果てに死を迎えた若者の軌跡を、みずからも若い頃に無謀な冒険へ身を投じていた著者が丁寧に追体験するノンフィクションぽいレポート、のような読みもの。

も少し具体的には、書かれた題材は、抑圧的な父親との齟齬に苦しみながらも、その父親に豊かな資金があり、かつ、本人が充分な学力と勤勉さを持っていたがゆえに、一流大学を卒業することができた若者が、物質主義に激しく反発し、卒業するや否や財産を捨て名前を変え、無一文の全米放浪に出た挙句、2年後にアラスカで餓死した経緯である。

本書に描かれた事実だけを追ってみれば、悪く言えば、金銭にも健康にも何不自由ない若者が、日本で云えばかつてのオウム真理教、いまの幸福の科学、のように、極端に特定の方向に純化した思想に心身を捧げてしまった典型例にしか見えない。

じっさい、本書の原型となった記事が著者によって雑誌に掲載されたときには、コンプレックスと自意識に固まった成金階級に属する若者による浅薄な自爆であるという読者の反応も多かったらしい一件を、綿密な取材と時系列の再構成によって、一般化した作品として成立させ、日本語に翻訳され映画化もされた(らしい)広汎な支持を得た結実は、自身も若き20代の頃に父親との相克に悩み、アラスカの雪氷と格闘した原書の著者による深い共感が為せる業績である。

ヘタすると、本書の対象となった若き死者の行状よりも、生き残っておっさんライターとなった著者が若い頃に強迫観念のように出かけた雪山で命を落としかけた自身の経験を述べる14章と15章のほうが、わたしのような、唾棄すべき日常を生き延びる者としての大多数のおっさん読者としては、真に迫る記述に満ちている。

すなわち、20代前半で死した本書の主人公の行動が、思春期を脱してない一部の読者にとっては誘蛾灯のように危険な魅力に満ちているとともに、それを記述するおっさんな著書による、ピュアな主人公に対する郷愁めいた共感が、本書を二度おいしいものに押し上げている。


なお、本書が物質文明&立身出世主義の中心的な本山である合衆国で広く読まれているという事実は、一般的に、コミュニティーのうちの一定の比率の人間はコミュニティーから疎外されて、それによって反語的にコミュニティーの安定した運用が図られることを示唆している。

自分的には、高校で履修した科目の倫理社会で、合衆国オリジナルな唯一の思想として、“プラグマティズム”(実用主義・功利主義)ってのを習ったときに持った感想で、そんな思想が主流派として受け入れられたUSAって極端だよなあ、ってのが、時を経て本書によって意外な方向から飛んできた、ってゆう印象である。


(平成19年発行・平成21年購入、集英社文庫)




今回の記事、ムダに小難しいやんけ。
ゆんべ深酒しながら書いてたらこんなん。
そうゆう芸風なんやな自分。
シラフでだいぶ手直ししたけどひどいな。

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