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zoom RSS 「典奴どすえ」森下典子著

<<   作成日時 : 2011/06/12 21:01   >>

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画像昭和の末期、「週刊朝日」誌の人気コーナーに、市井の笑えるゴシップを何本も集めた“デキゴトロジー”という連載があった。
著者は女子大生だった頃から10年にも及ぶ期間をそのコーナーの取材記者として過ごし、本書では、記事のこぼれ話や、その間に自身の周辺に起きた変化を綴っている。

という、角川文庫が旬を逃さずパッと売った本が、20年の時を経て、ウチの本棚から出てきました。

題材が題材だから、文章は基本的にカルく面白い調子であるが、著者の体質なのか、そこかしこにユーモアとともにペーソス(哀愁)が漂っている。とくに著者の身辺に関して書くとその色が濃い。たとえば何年も付き合った婚約者がアメリカで浮気して破談になったくだりとか、事務職に就こうとして怪しい企業を訪ねてしまうくだり、そして最後のほう、週刊誌の企画で京都の舞妓を見習い体験するくだりとか。あ、ネタそのものが哀愁を伴ってますね。

あらためて40代のおっさんになって再読してみてわかることに、著者は実は根がまじめで、ネタを集めろ取材しろと言われると粘り強く実行してしまうタイプである。営業職とかすごい適性あるんじゃないか。また、著者は週刊朝日のバイト記者に過ぎず、編集者は朝日新聞社の社員なわけで、自由に見えて実は組織に絡めとられた新聞社の社風もかいま見える。

総じて、同じ業界に10年間粘る根性がいぶし銀の輝きを放っている、というのがいちばん強い読後感である。

20年ぶりに再読するとキワモノぽいエッセイ集でも目に映るものが違う。だから本は処分できないな。

断捨離、って、銀シャリと似てるよね。




(平成元年発行・購入、角川文庫)




余談1:この表紙の絵はすばらしい。湯村タラさんの手になるものである。派手で配色が華やかでギャグっぽくしかもカワイイ。20年経って時代が追いついたのか。でも絶版。

余談2:著者はこれ一作を残して業界を去り消息は不明、と思ったら、現役のライターでらっしゃる。やっぱり粘り強い。

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