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zoom RSS 「ドグラ・マグラ」(上)(中)(下)夢野久作著

<<   作成日時 : 2011/06/26 21:37   >>

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頭のおかしい小説。

昭和初期に探偵小説の名の元に書かれたエロ・グロ・ナンセンスぜんぶアリな巨編で、しかもネタはサイコもの。
精神病がまともに扱われてなかった時代だから、使われる用語も「キチガイ地獄」とか「狂人の解放治療」とか、たいへんフリーダムである。

これだけだと後ろ暗い興味が湧いてチョット読んでみようかな?と思ってしまいそうだ。
しかるに本作品は構成が重層的になっており、しかもそれぞれの部分がはっきり言って冗長で、通読するのはかなり根気が要る。

そこで、ある程度ネタがバレるのを承知で、骨組みをまとめてみる。

語り手:精神病院に入院している美男子。記憶喪失。王道ですね。
登場人物:主人公のほか、精神病院の医者と学者。あと、仮死状態で眠る美少女。王道。

構成:

上巻/目覚める主人公。自分の状態につき医者から説明される。後半は主人公が学者の残した著作を読む形で、へんな祭文とか論文に費やされる。題して「キチガイ地獄外道祭文」「(記事)地球表面上は狂人の一大解放治療場」「(インタビュー)脳髄は物を考える処に非ず」たいていの読者はこのへんで心が折れると思う。

中巻/おそろしいことに、この中巻がすべて、上巻から続いて、学者が残した著作の引用に終始するのである。「(論文)胎児の夢」「空前絶後の遺言書」といったノリ。その中に、主人公が起こした事件記録や、医者が偽装したトリックが記されている。探偵小説的なイベントはこうして間接的に提示される。

下巻/1冊半に及んだ著作引用の形式が終わり、さっき目覚めたばかりの主人公と医者の長い長い会話が、こんどは物語の残り60ページというところまで続く。そこから先は、そこまでの長い仕込をすべて収束させるスピーディな展開で、虚無的な結末に至る。

要するに、会話と引用以外で物語として動くのは最後の60ページだけである。

根本のネタは、書かないけど、なんぼ精神病ネタでもこんなんアリ?というような設定だ。

といったように、つかみどころがなく、つっこみどころは満載という奇書。
刊行されたときも、雑誌連載をまとめたものではなく、書き下ろしの形で出版されて、おもっきり黙殺されたようだ。評判はともかく作者がどうしても書きたかったものであろう。

あとは読者がどう受け止めるかってことで。勝手に書くぞー。

上でまとめたように間接的に語られる構成は、全体に対象から距離を置いたふわふわした印象を与えている。すなわちこれは脳髄が持ち主の意のままにならず、行動が必ずしも意識に支配されないふいんきを醸している。したがって本書の世界では、「脳髄は物を考える処に非ず」という表現に典型的にあらわれているように、唯物論はもちろん唯心論をも離れ、今ふうの“唯幻論”への志向が感じられる。

そういう意味で、ひとことで言えば、頭のおかしい小説。

あー書いた書いた。



(昭和51年発行・昭和54年購入、講談社文庫)



奥付を見たら、これ買ったの自分が中学生のときだ。

こんな本を中学生が読んだら、中二病がこじれて、不惑を過ぎても女児叙事を小3賞賛とか言ってドン引きされる不審なオッサンになっちゃうよ。

あ、なってる。

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