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zoom RSS 「田舎教師」田山花袋著

<<   作成日時 : 2011/07/24 22:42   >>

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画像ド田舎で小学校教師としてカネもなく華もない地味な生涯を送る、そんなの絶対イヤだ。
そう思っていた時期が自分にもありました・・・・・・

退屈で、しかも読みにくい小説である。
冒頭いきなり明治時代の若者が恋愛論を交わしているのが、古臭いうえに変に横文字が混じっていて、速攻で投げ出しそうになる。

そのへんは適当に飛ばして、あらすじ(後述)を知った上で、こまかい表現にこだわらず(明治の小説だからよく分からない風物も多いんだ)読み流すのが吉なのではないか。

全体に退屈なのはテーマに由来する必然的な仕様なので、やむを得ない。

当記事筆者は10代のとき以来の不惑を越えてからの再読で、その間に、人生はつまらないことが大半だと実感してるもんだから、今回はあるあるモードで読めた。

<あるあるの例>
一方には多くの友達のように花々しく世の中に出て行きたいとは思うが、又一方では小学教員を尊い神聖なものにして、少年少女の無邪気な伴侶として一生を送るほうが理想的な生活だとも思った。友に離れ、恋に離れ、社会に離れて、わざとこの孤独な生活に生きようというような反抗的な考も起った。
<引用おわり>

しかし、最初に読んだ時は、なんてつまらない小説なのかとあきれてしまった。その頃は筒井康隆さんを至高と思っていたんだ。
しょせん、学生が共感するには無理がある作品である。
なのに、当時は“新潮文庫の100冊”だったり教科書に日本文学史の代表作で紹介されたりと接する機会があって、いわば、「コレがつまらなくて他の名作群からも縁遠くなってしまうキッカケの一冊」として、典型的なものだった。

今は本書を題材に読書感想文なんて廃れているかもしれないけど、せっかくだから攻略してみる。


あらすじ:
主人公は文学とか音楽とかを好きなタイプの繊細で貧乏な青年である。
そんな悠長な学問をする余裕は無いので、とりあえず田舎の小学校の教師になった。
働きながら資金を貯め、チャンスを見て東京に出て進学するなり活動するなりする目算である。
ところが就職してみると、カネ貯まらんし時間足らんし(ありがち)、意外と仕事にやりがいがあったり。
オルガンを練習して音楽学校を受けるが不合格。ピアノ科だもんな。
落胆した気分のまま商売女にハマってしまい、なけなしの貯蓄プラス借金までして貢ぐ。
あげくポイされたところに肺病にかかってしまい若くして死ぬ。

感想文のポイント:
あらすじのまま「主人公に共感した」とまとめてしまうのは得策ではない。
なぜなら、本書のような、田舎に引っ込んだまま終える一生を、未来ある学生が100%肯定してはまずいから。
かと言って、本書がわざわざ課題に出されたのなら、「クズのような本だ」と切り捨てるわけにもいかない。
したがって、ベースは共感を示しつつ、前向きに否定して希望を示すとウケがよいと作戦を立てる。

(1)共感する点
・本書の舞台であるほぼ100年前の埼玉県(熊谷とか行田とか出てくる)は草ボーボーのド田舎であり、その風景がていねいに描かれている。まるで細密なスケッチのように、とか言ってみたりして。
・周囲の人々との交流がイベントとも呼べないレベルで淡々と描かれる。学生時代の友人、学校の同僚、下宿先の娘、受け持ちの子供たちなど。平坦な日常を描くことで、主人公の冴えない日常を浮き彫りにしている。かつ、物事をあるがままに描く自然主義の代表作となっている。
・主人公は作中でやや大きめの挫折を2回経験している。ひとつは音楽専門学校への受験の失敗。もひとつは下宿屋の娘への失恋とそれに続きプロ女へハマったこと。「気の毒で心が痛んだ」とか書いとく。自身に似たような経験があればそれも書いとく。当記事の筆者だと、似たような経験をなぞるだけで原稿用紙10枚くらい埋まりそうだ。
・総体として、環境に不満を言うより、持ち場で日々を誠実に最善を尽くすことの大切さ。みたいな。書いてて湿疹が出そうだ。

(2)共感できない点
・環境を跳ね返して現状を打破できていない
・夢をつかむためには周囲の期待に反したり摩擦を生んででも新しい世界に飛び込むべきだ

(3)まとめ
努力を続ければ夢は必ずかなう、なんて甘くはないことは分かった。本書の主人公は誠実そのものである。しかし希望をかなえるためには、本書のような世界を脱出しなければならない。(ここで自分の目標を書いて決意表明とする)

みたいな(^^)

用紙が余ったら、ド田舎の描写をそのまま引用して「田園のふいんきがよく伝わる」とか書いて水増しする。



(昭和27年発行・昭和53年購入、新潮文庫)


なお、新潮文庫版の解説(by福田恒存)は作品に対してやや批判的であまり読書感想文の参考になりません。為念。

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