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zoom RSS 「マークスの山」(上)(下)高村薫著

<<   作成日時 : 2011/08/16 13:25   >>

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画像いくつも殺人事件が起きて犯人を追う過程と謎解きが描かれるという意味では、カテゴリーは間違いなく推理小説なのだが、むしろ焦点は、オビにも書かれている通り、「警察小説」である。
そのくらい、警察の内部、刑事たちの描写が多い。ていうか大部分。

文庫本で上下巻あわせて約700ページのボリュームは、刑事たちのキャラ立てを省略したら、たぶん1冊で収まったはず。

しかし本書のキモは、もちろん、地味な汗臭い刑事ドラマを延々と見ているようなそういった刑事たちの世界の空気を味わえるところにある。
階級が絶対である警察官僚組織のねたみそねみ。捜査会議で別の部署との情報戦や駆け引きで苛立つ刑事たちの様子。署と捜査の行ったり来たりで疲労感と緊張感が同時にみなぎっている空気感。

それを味わいたいかどうかは別にして、よく描けていることは間違いない。

マークス? そんなもんどうでもええんや!

おかげさまで、刑事たちも犯罪者側も登場人物はあらかた男臭さがプンプン薫っている。

今回ざっと読んでチェックしたら、いちおう人格を付与されて登場している女性は3人だけである。
しかもその3人というのが、

・資産家に生まれ嫁いで世間を知らず、夫が犯罪に巻き込まれて戸惑うばかりの老婦人
・殺されたチンピラを居候させていた水商売の短気な中年女
・入院時に世話した責任能力すれすれの前科青年を出所後も面倒みていた看護婦

とボロカスな設定ばかりで、最後の3人目はまだマシと思いきや、看護婦を聴取した刑事はこう評している。

「これまで山ほど見てきたタイプですよ。頭と子宮がつながっていて、男絡みとなると、何度後悔しても反省しても、また同じことを繰り返す。今回は行くところまで行かずに済んで、本人のためにはよかったと言うべきでしょうな」


女性作家の手になる作品で、こんな骨の太い小説はめずらしい。



(平成15年発行・購入、講談社文庫)

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