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zoom RSS 「辺境・近境」村上春樹著

<<   作成日時 : 2016/12/30 20:24  

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画像行かなくてもいいのに行く、さらには、行きたくないのに行ってしまうのが著者の旅である。
名所を見物するでなく、特産品を味わうわけでなく、作品の取材ですらない。

強制的にむりやり旅に連行されるのではないから、自分の意思で旅に出かけているのは確かであっても、著者の中の大脳皮質に近い部分が行かなくてもいいとか行きたくないとか騒いでいる様子が読者の二律背反に寄り添ってくる。

文体の基調がきわめて丁寧な中に、旅に行くんじゃなかった皮質のテンションが増進すると、たまに下品な調子になるのが、読者の旅情を誘う。

(「無人島・からす島の秘密」から)
明るいところに出してやると「チェッ、うっせえなあ。勘弁しろよなあ」という感じでもそもそと蠢き、また穴を掘って地下に潜っていった。何がうっせえだよ、ざけんじゃねえよと思って(後略)

瀬戸内海の無人島にのんびり滞在する目的でやってきて、フナムシや虫にひどい目に遭わされるくだりである。

こんな近境への旅は、このほか、讃岐うどん紀行・神戸徒歩旅行が収められている。
辺境はスケールでかく、メキシコの田舎、ノモンハン事件の現場訪問、アメリカの田舎横断、が読める。

旅はめんどくさい。なのに、また出かけたくなる。旅行の準備はめんどくさく、出発の前夜はもうやめようかと思う。へとへとになって帰ってくる。なのに、また出かけたくなる。
---著者の紀行は、そんな感覚を読書で追体験できる。

いちばん面白かったのは「雨天炎天」に収められたギリシアのアトス山に行ったときのもので、完全に女人禁制の修行オンリーな聖地、ロクな食べ物もなくて、ホントなぜそんなとこ行くんだろう、めんどくさいを超越した一編、だが、その本はいま探したらどっか消えてた。


(平成12年発行・平成28年購入、新潮文庫)


しかし著者の長編小説は長いわりにもやもやしてて、近年読む気がしない。「アフターダーク」で投げた。

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