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zoom RSS 「昭和歌謡大全集」村上龍著

<<   作成日時 : 2006/06/12 00:13   >>

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画像現代日本の死んだ魚の目をしたどーしよーもない連中を活写したら村上龍さんの右に出る者はいない。というよりむしろ、そんな連中を活写して作品にできるのが村上龍さんだけだ、ということも言える。

タイトルだけではストーリーが推測できない本作のあらすじは、どーしよーもない若者グループと、どーしよーもないおばさんグループが、みょんなことから対立し抗争し、殺し合いの応酬へとエスカレートしていく、というものである。要するにパイ投げであって、それが村上龍さん独特の“うねる文体”で微に入り細に入り描き出されるグログロな殺戮シーンとそれぞれの日常のどーしよーもなさとが、みごとな対比のタペストリーを



・・・なんか、それらしいことを書くのに飽きました(^^) ま、そんな感じってことで。


あと2点だけ。

当Weblog運営者は若者でもおばさんでもなくて、それでも本書で描かれたどーしよーもない連中の様子は、常に自身のほうに向けられているようにチクチクと気持ちよく&気持ちわるく刺さってきた。本書を読んで、ダラダラと何の創造性も生産性も無く怠惰に日々を消費する連中はたしかにどーしよーもない、と、まるで他人ごとのように、自身はそんな連中とは違う、と捉える読者は、それこそどーしよーもない。なべて自覚せよ、おのれのどーしよーもなさを。

ま、それはそれとして(←創造性も生産性も無く怠惰な感じで)、本書の骨格であるふたつのグループの対立に一服の清涼剤、じゃなくって、さらなるグロな添加剤として禍々しい華を咲かせる登場人物が、容姿の醜い女子短大生である。まさに村上龍さんの面目躍如。テキストなのに眼が潰れそうな。

<引用>
そこには内臓の病気を取り出してその毒の成分だけでクローン人間を造った、という感じの女子短大生が立っていた。ノブエもイシハラも幼児から老婆までとりあえずのセックスの対象として見るというタイプだったが、さすがにその女子短大生だけはそういう気分になれなかった。顔色が悪いとか、異常に痩せているとか太っているとか、常に目や鼻や口から色付きの汁を垂らしているとか、全身の皮膚にまんべんなく吹出物があるとかそういうことではなくて、単に病のオーラを発していたのである。その病気のウェーブは例えば南の島の強大なマングローブの樹も枯らしてしまうのではないかという強烈なものだった。
<引用おわり>

これが登場シーンで、このあとメインストーリーの殺戮描写がエスカレートするのと同調して、女子短大生の容姿描写もエスカレートする。ああ気持ち悪い。ああ気持ち良い。



(平成9年発行・購入、集英社文庫)

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村上龍「昭和歌謡大全集」
村上龍「昭和歌謡大全集」(幻冬舎文庫)を読みました。 ...続きを見る
週末は読書感想の国
2006/06/12 20:54

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
映画版を見ました。
オバサン役として、岸本加代子、森尾由美、細川ふみえ(以上、字が間違っているかも)という微妙な線の人たちが出ていて、妙に生々しかったです。
大田原牛
2006/06/12 22:12

大田原牛さん、コメントありがとうございます。
おお、映画化されているのですね、知らなかったです。
ただ、映像化のキモは上でも言及した"容貌の醜い女子短大生"だと思うので、それが省略されてしまっていては。
などど無茶を言う。
DRAGON龍
2006/06/18 22:00

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