「人間臨終図鑑2」山田風太郎著

著名人を死んだ年齢の順に並べて、その死に様を淡々と記した本。読んだ感触をひとことで言えば、“どうせ死ぬんだ”または“死を想え”。 全4巻もある中でやっぱり自分の今の年齢が含まれる年代の死にざまを見たいので、50歳から64歳の第2巻をチョイス。 悲壮感あふれる夭折でもなく、長寿を全うした大往生でもないこの年代は、一定の業績は挙げて…
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「アルプスの少女ハイジ」ヨハンナ・シュピーリ著/毛利孝夫訳

名作アニメはタルいから敬遠してた子供の頃とは違って、おっさんになってケーブルテレビでざっと見たら、ストーリーは構成が良いし、山登りやるから風景もジワジワくるし、嗜好もおかしくなって暗いクララがグッと刺さる。原作読んでみようか、とはいえ全訳で挿絵が原作版ってあるのかな、と検索したらKindle版が新訳で出てるやん。マンガ読む用で数年前に買…
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「辺境・近境」村上春樹著

行かなくてもいいのに行く、さらには、行きたくないのに行ってしまうのが著者の旅である。 名所を見物するでなく、特産品を味わうわけでなく、作品の取材ですらない。 強制的にむりやり旅に連行されるのではないから、自分の意思で旅に出かけているのは確かであっても、著者の中の大脳皮質に近い部分が行かなくてもいいとか行きたくないとか騒いでいる様…
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「その街の今は」柴崎友香著

書名が漠然としていてパッと内容がわからないので、著者になりかわってベタなタイトルを付けるとしたら、  “なにわいまむかし”  “ミナミ恋模様” といったところか。 ←だっさ~。 <ブログの動作確認を兼ねて1年ぶりに記事をアップします> 大阪ミナミで働く二十代後半の女性を語り手として、登場人物はバイト先の関係者や友人…
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「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」菅直人著

リベラルは脆弱である。だがそれがいい。 2011年のあの国難は誰も忘れなくても、そのときに誰が総理大臣だったかは、意外ともう忘れられているような気がする2014年の暮れ近く。 記事として出落ちではあるが、総理大臣が菅直人であろうとなかろうと、あのような国家的災害に対しては、システムや価値観で対応できるわけもなく、ひたすら反射…
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「Oh! My God!! 原宿ガール」きゃりーぱみゅぱみゅ著

今年2013年に一気にブレークした、とオッサンの当記事筆者が思ってるだけで、以前からオシャレの半歩先を進んでいる(←単語の選択がクラシカルであっても了とされたい)きゃりーちゃんが、2011年に生い立ちや価値観を述べた本である。 きゃりーちゃんの活動は、歌はわけわからんし、芸名からしてタガが外れているので、一時的なカルトなんだと思っ…
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「孤高の人」(上・下)新田次郎著

登山家が本質的に有する固陋で偏頗なメンタリティーを可能な限り一般的に文章化した労作である。 題材にした人物は海外遠征に一度も赴かず三十歳そこそこで亡くなったにもかかわらず、上下巻で千ページ近いボリュームに至ったのは、著者が共感したその人格をいかにしてふだん汗もかかない市井の小太りの読者に伝えるかに心を砕いた結果であろう。 本…
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「風来忍法帖」山田風太郎著

いま公開中の映画“のぼうの城”と同じ題材を扱いながら全くアプローチの違う伝奇小説。 ひとことで言えば、びっくり人間ショー。 おおまかなストーリーとしては、明らかに劣勢な城をけなげに守る美貌の姫がいて、みょんなことから姫の身をを守ることになった風来坊七人組が、戦闘では素人同然であるにもかかわらず、得意技を生かした機略を使い、攻めて…
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「容疑者Xの献身」東野圭吾著

名高い“ガリレオ”シリーズの白眉をいまさら読んでみた。 本作では主人公が物理学者である必然性が分からないけど、生粋のエンジニアだった作者の性質を反映して、作品全体を覆うふいんきが、世間知と遠い理系ぽい哀感に満ちている。 推理小説だからオチは言うまい。 さすがの名作の誉れに相応しい展開である。 自分的には、容疑者Xが被疑者…
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「春宵十話」岡潔著

1901年生まれの数学者が1960年代はじめに当時の世相について語った本である。それを1960年代生まれの自分が2010年代はじめに読む。時代を超越する鳥のような読書体験。と言っておこう。 年配の方が世相について語ればいつの時代でもそうであるように、本書では1960年代の世相について警鐘を鳴らし将来を憂う記述に満ちている。 題材…
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「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー著/清水俊二訳

これが古典的名作とゆーものか。 なにが秀逸って、これだけのキャラクターとプロットとストーリーが、文庫本1冊400ページ弱に収められているコンパクト感がすごい。 このWeblogの主な目的は昭和の頃に読んだ文庫本を再読して自分の備忘を兼ねて記すことで、本書はいかにも以前に読んだのを手に取ったっぽい、誰もが通るミステリーの入門であり…
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「マークスの山」(上)(下)高村薫著

いくつも殺人事件が起きて犯人を追う過程と謎解きが描かれるという意味では、カテゴリーは間違いなく推理小説なのだが、むしろ焦点は、オビにも書かれている通り、「警察小説」である。 そのくらい、警察の内部、刑事たちの描写が多い。ていうか大部分。 文庫本で上下巻あわせて約700ページのボリュームは、刑事たちのキャラ立てを省略したら、たぶん…
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「僕の妹は漢字が読める」かじいたかし著

にほんご もじ かず おおい あたま しゅーしゅー えいご もじ かず すくない = 26 えいご もじ たりる → てがみ えいご もじ たりる → しんぶん/ろんぶん/えろ でたほん → これ ある → おなのこ/もえ/えすえふ せってい = 23せいき にほん せってい = にほんご かんじ ない うぃ…
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「田舎教師」田山花袋著

ド田舎で小学校教師としてカネもなく華もない地味な生涯を送る、そんなの絶対イヤだ。 そう思っていた時期が自分にもありました・・・・・・ 退屈で、しかも読みにくい小説である。 冒頭いきなり明治時代の若者が恋愛論を交わしているのが、古臭いうえに変に横文字が混じっていて、速攻で投げ出しそうになる。 そのへんは適当に飛ばして、あら…
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「倉橋由美子の怪奇掌篇」倉橋由美子著

“タイトルでショートショートを作ってしまおう”シリーズその13 ある夜、倉橋由美子は自分の右手が地球外生命体に侵略される悪夢にうなされた。 そうすると翌日から、それまで何のアイデアも浮かばず筆も進まないスランプに長く悩まされていたのが嘘のように、まるで自分の右手が別の意志を持った生き物であるかのように、次々すらすらと…
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「ドグラ・マグラ」(上)(中)(下)夢野久作著

頭のおかしい小説。 昭和初期に探偵小説の名の元に書かれたエロ・グロ・ナンセンスぜんぶアリな巨編で、しかもネタはサイコもの。 精神病がまともに扱われてなかった時代だから、使われる用語も「キチガイ地獄」とか「狂人の解放治療」とか、たいへんフリーダムである。 これだけだと後ろ暗い興味が湧いてチョット読んでみようかな?と思って…
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「街のオキテ」泉麻人著

1980年代半ば、若者風俗や流行に関するネタを題材に、著者の言葉によれば「ランキング表形式で提示して、面白おかしく分析を加えていく、という手法」で雑誌に連載されたものだ。 こんなもん、あっという間に本の内容自身が古びてしまうに決まっていて、実際その通りなのだが、2010年代に入った昨今では、バブル前の1980年代を振り返る動きが起きて…
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「典奴どすえ」森下典子著

昭和の末期、「週刊朝日」誌の人気コーナーに、市井の笑えるゴシップを何本も集めた“デキゴトロジー”という連載があった。 著者は女子大生だった頃から10年にも及ぶ期間をそのコーナーの取材記者として過ごし、本書では、記事のこぼれ話や、その間に自身の周辺に起きた変化を綴っている。 という、角川文庫が旬を逃さずパッと売った本が、20年の時…
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「グレート・ギャツビー」フィツジェラルド著/野崎孝訳

解説によると、著者自身がこの作品のテーマについて「ギャツビーを貫く観念は、貧乏な青年は金持の女と結婚することができないということの不当さだ」と語っている。それだけだと浅く聞こえるが、実際のところ、 やっぱり浅い。だがそれがよい。 舞台はニューヨーク。語り手の独身青年は、資産家の出身ではあるものの実直な田舎気質が強い。学友夫妻…
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「メロンと鳩」吉村昭著

短編集である。 著者は長編では「戦艦武蔵」「破獄」など歴史や事件に取材した骨太な作品で知られるのに対して、この短編集はタイトルでイメージされるようにやや趣向を変えて叙情的なメルヘン色があふれている、 かと思ったらそんなことはなく、表題作は死刑囚の執行日前後を描いたもの。“メロン”は死刑囚への差し入れであり、“鳩”は慰めのために飼…
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「菜の花物語」椎名誠著

私小説のようでもありエッセイのようでもある短編集。 もとは月刊誌に連載されたもので、なにかネタとかテーマを設定した連作ではなく、その月に起きたことをスケッチ的につづるタッチである。 ときには何ヶ月にもわたる旅に出ることもある著者にしては、この連載期間中は海外に出歩くこともなかったので、できごとと言っても、旧交を温めたり、あと目立…
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「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著

生物と無生物のあいだにあるのは、たえまない流動性とゆるぎない一定性という、一見矛盾するふたつの性質が同居することで、それがあれば生物である。 あー、まとめてしまった。 しかしまとめただけでは魅力が薄れないのが本書のベストセラーであり名著である証拠。 上記の結論に至るまで、また至ってからも、生物の不可思議と解明への熱情は…
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週報 2011/05/08

東方風神録に行ってみた。 諏訪大社に行ってみた。 下社秋宮にて2011年5月4日撮影 (クリックで拡大、以下同じ) 予想していた以上の東方絵馬。 風神録Extraモードをクリアした者としては、諏訪大社4宮(上社前宮&本宮、下社春宮&秋宮)は当然として、さらに参拝すべき地がある。 …
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「極道の妻たち」家田荘子著

なめとったらあかんぜよ!のキメ台詞で有名になった映画の原作である。 んが、本書にはそんな修羅場で立ち回る場面は出てこない。 読んでみると、そもそも極道の世界では、シノギの現場に女性は加わらないのである。 本書の内容は、もともと週刊誌に連載されたもので、まだ20代だった著者がヤクザの本妻7名に次々と密着取材し、ときには住…
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「深夜特急2」沢木耕太郎著

20代半ばだった著者が香港をスタートしロンドンに至る長い旅路を綴る全6冊の旅行記、その2冊目のマレー半島・シンガポール編である。 主な滞在地はバンコク/クアラルンプール/ペナン/シンガポール、それにいくつかの経由地である。そんな名だたる都会で著者が何をするかというと、格別なにもしない。 いや、街歩きはするし、名所や市場をめぐ…
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「普及版世界文学全集第II期」清水義範著

世界文学全集の文庫版っつったらどんだけ厚いんだと思うが、古典的名作が一冊に8本も入って約250ページである。 おっと、一時期ちょっち流行ったような、読んだつもりになるダイジェストでもない。 じゃあ何かというと、 冗談と時事ねたとパロディで文学作品を換骨奪胎したユーモア短編集である。 そもそも著者である清水義範氏は1980…
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「名棋士81傑ちょっといい話」原田泰夫編著

将棋の棋士のうち戦前から現代までに活躍した代表的な81人について、明るく軽く紹介した本。 元はムック(大判のビジュアル本)だったものを再編集して文庫にしたようだ。 寝そべって軽く読める本を探していて、古本の通販で買った。 現代まで、と言っても、平成10年発行だから、今(平成23年)はもうその頃とはタイトル保持者や勢力図も多…
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「恋愛中毒」山本文緒著

かくてーしんこく前後の当記事筆者は普段でもサバンナ気候なのにさらに一面の砂漠地帯のように乾いた日々を送っているので、読む本くらいは、恋愛感情と身体感覚に右往左往するはかなく水も滴る美女を主人公に、渋いセンスの熟年作家を相手として湿地帯のような感情と熱帯雨林のようなラブシーンを描いたものを、と思って買ったら、 主人公は外見が十人並み…
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「東京路上探検記」文:尾辻克彦/絵:赤瀬川原平

ゆるいもの・無用と化したもの・過剰なもの、など、いわゆる道を外したモノを機能優先の都会の景色に発見しようとする著者の活動の中で、本書を時系列で位置づけると次のようになる。 超芸術トマソン(昭和57年発表):出入口の無い階段、フレームだけ残った扉、など、機能を喪失したのに形態だけ残っている構造物を、当時の役立たず外人選手トマソン(巨…
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月報 2011/02/13

大きいと小さい/星蓮船/記号とおえかき こないだ遅くに帰宅してTVを点けたらNHKが“無縁社会”をやってて、しかも働き盛りがテーマで、恐くて見られませんでした。 ・大きいつづらとちいさいつづら “つづら”は葛籠って書くらしい。IMEって賢けぇー。 その1:携帯端末 や、機種を変え…
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